資本主義とは【中学生でも分かる】

近年、世界中で所得の格差が問題になっています。

ジニ係数と呼ばれる所得格差の指標により、日本は先進国の中でも貧富の差が大きいことが証明されています。

そういった社会問題を知る上でも欠かせないのが資本主義の仕組みです。
資本主義を知ることで「なぜ所得の格差が生まれるのか?」などの疑問を理解することができます。

今回は資本主義の概要を分かりやすく解説します。
資本主義国家の日本で生きている皆さんも関わっていることですので、ぜひ読み進めてください。

 

 

 

そもそも資本とは

一言で「資本」と言っても経済学や法学など、分野によって意味が異なります。
資本主義における資本とは、簡単に言えば「価値を生み出す仕組み」のことです。

人間にとって必要な商品、サービスはたくさん存在します。
それを生み出しているものは全て資本です。

例えば、生きていくには食品が必要です。
その食品を作る工場は資本ですし、加工する機械も資本、そこで働く人も資本です。

なので、私たちが生きていく上で必要なものを生み出している要素全般が「資本」と言えます。

 

 

資本主義とは

資本主義とは、価値を生み出す仕組みを持つ「資本家」(企業の経営者)が、一般人である「労働者」から労働力を買い、商品・サービスを生み出して利益を得るシステムのことです。

例えば、資本家は食品を作る工場や機械を持っていたとしても働き手がいなければ利益を出せません。
一方、労働者は働ける状態だったとしても働く場所がなければ所得が得られません。

なので「資本家が労働者に働いてもらうことで利益を出す」ということが必要です。
それが資本主義です。

 

 

反対の「社会主義」とは

資本主義について語る上で「社会主義」も知っておくといいでしょう。

社会主義とは、格差のない平等な社会を実現するシステムです。

土地や建物、商品を作る工場なども全て国が所有し、個人で所有することは認められません。
企業の利益も国が管理し、国から給料が支払われます。

社会主義は、資本主義の「貧富の格差」の問題を改善するために生まれました。
そのため、貧富の格差はありません。

しかし、働いても所得が上がることはないのでモチベーションが低下し、新しい商品・技術も生まれにくく経済が発達しなくなる問題がありました。

 

 

 

資本主義のメリット

資本主義のメリットは経済の発達が早く、生活が豊かになることです。

国民が個人で商品を作るための土地・建物・機械などを所有して自由に商売できます。

同業者と競争し、勝つために新しい商品・新しいサービスを生み出します。

その結果、経済が発達して新しい技術が発明され、生活が便利に、豊かになっていきます。

 

 

資本主義のデメリット

資本主義のデメリットは貧富の差ができることです。
貧富の差ができる原因は多数あると考えられます。

例えば、社会主義と違って国民の所得は国からではなく企業から支払われます。
なので規模の大きな企業に勤めていれば所得が多くなりますし、規模の小さな企業に勤めていれば所得が低くなります。
正規雇用も拡大しているので、正社員よりも所得が低い人もいます。

そういったことが原因で所得の格差が広がります。

 

 

資本主義まとめ

今回は資本主義について解説しました。

資本主義は経済の発達が早いのがメリットですが、貧困が拡大するのがデメリットです。

社会問題について語られるとき、悪い点ばかり注目されますが良い点もあります。

資本主義の良し悪しは簡単に決められるものではありませんが、概要を知っておくことで今後の見方も変わります。

資本主義の知識を身につけ、自分なりの考えを持ってみるのはいかがでしょうか。